鶏卵肉情報 進化するブランド

2024年3月25日号

◎長崎県養鶏農業協同組合(長崎県諫早市)
シリーズ進化するブランド200
加熱後も褪色しない風味豊かな「クイーン卵」
苦みと雑味が少なく強い甘みの「枇杷たまご」


長崎県養鶏農業協同組合(長崎県諫早市、深沢晃代表理事組合長)が生産する「クイーン卵」は、主要取引先であるララコープとの取り決めで指定配合飼料を直営農場と組合員農場で給与し、さらに寒暖差による影響を避けるため季節ごとに配合・栄養成分を調整している。

また、植物性天然原料のマリーゴールドをふんだんに使用することで卵黄色が濃く、加熱後も濃い橙色が保持される。深沢氏は「長崎はカステラが名物なので、加熱しても褪色しない、冷めてもしっとりしていることが重要なポイント」と話す。厳選した原料のみを使用したクイーン卵は、風味が豊かでしっとりしており、苦みが少なく卵本来の旨味を濃厚に感じるという。

クイーン卵と同じ飼料をベースに、長崎県特産の枇杷の葉を添加した「枇杷たまご」は、一般的な卵と比較して苦みと雑味が少なく、強い旨味を感じることができる。「自然環境に恵まれ、おいしい地下水があるという立地から、直営の1農場に限定して生産している」という枇杷たまごは、地元では「甘味があって味が濃い」と評価されている。

銘柄鶏の「長崎ばってん鶏」は環境抜群の開放鶏舎で坪羽数を少なくし、長期無薬飼料体系を採用、鶏へのストレスを緩和し腸内菌叢を整えるというハーブ他を配合している。研究機関による肉質評価試験では、長崎ばってん鶏は一般鶏と比較して明らかにジューシーでやわらかいことが示された。さらに「モモ肉は味に濃厚感があり、旨味の余韻が続く」という特長も示されている。

同組合は給与飼料、農場、GPセンターなど生産方式全般に関わる生協の審査を受けており、これがブランドの信頼性や品質の安定に貢献しているという。



2024年2月25日号

◎比良利助(滋賀県大津市)
シリーズ進化するブランド199
国産鶏と国産飼料を使用した
「利助のたまご」と「天使のたまご」


琵琶湖の西側、比良山のふもとにある養鶏場「比良利助」。京阪神への交通の便が良く、手頃な自然が感じられるため、季節を問わず多くの観光客が訪れる。そんな自然豊かな環境に農場がある。

同農場代表の中村耕氏の祖父が養鶏業をはじめ、養鶏農家としては三代目となる。

同農場の卵の特徴は純国産鶏種「もみじ」と「さくら」にふんだんに国産原料の発酵飼料を使用していること。

特に「天使のたまご」はトウモロコシの全量を飼料用米に置き換えた飼料原料もほぼ国産の卵。

開発経緯について中村代表は「飼料用米を試験的に使用割合を増やしていったところ、産卵成績も落ちず、鶏の健康にも悪影響は出なかったので商品化した。味わいは極めて淡白で味の面でも色の面でも良くも悪くもほかの食材や調味料に染まる。生産量は100羽分程度。飼料成分の90%以上が国産となるということも強みの一つだと思う。見た目のインパクトが大きいが認知度はまだまだ。今後ますます拡大していけたら」と話した。



2024年1月25日号

◎(株)レパコ(福島県福島市)
シリーズ進化するブランド198
パティシエが作った「フルーツエッグ」
臭みが少なくコクと甘みがある安全な卵


福島県を中心に全国で13店舗を展開する洋菓子店「レパコ」。運営する(株)レパコ(福島県福島市、佐藤純啓社長)は「材料にこだわるパティシエが自ら納得のいく卵を」と果樹王国・福島県にレパコエッグファームを設立。自家製フルーツ酵母飼料で育てた鶏が生むのが「フルーツエッグ」だ。同社では、スイーツ作りに使う卵は「臭みが少ない」「コクと甘味がある」「安全なたまご」の3つが重要と考えている。洋菓子にはすべてフルーツエッグを使用している。

フルーツ酵母と太陽の下で育ったフルーツエッグは、「本物志向から生まれた平飼いたまご」。

もともとパン屋からスタートした同社には酵母の技術がある。果実を嫌気性発酵させ2年間熟成したフルーツ酵母に、桃や林檎、苺などの果実と、おからやワインの絞り粕、米ぬかなどを好機発酵したものを加えたフルーツ酵母飼料で鶏の腸内環境を整えることで、フルーツエッグは臭みが少なく、コクと甘みがある卵になっている。卵白の弾力も強く、卵のコクが牛乳、バター、生クリームなどと非常に相性も良く、素材の風味を引き立てているという。

山口昌宏常務は「本当にいい卵とは、ストレスをかけない鶏、健康な鶏が生んだ卵」として、土の上にもみ殻を敷いた平飼いとしている。

また、スイーツに使う卵の品質を揃えるため、生み始めから10カ月以内の若鶏の卵のみとしている。



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