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シリーズ ブランド豚を追う

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2025年5月号

◎(有)一志ピックファーム/まるとも荒木田商店(三重県伊勢市)
スポーツ選手から精肉販売・加工に挑戦
先代からの夢を継ぎ直営店・飲食店を展開


三重県伊勢市で銘柄豚「一志SPポーク」の精肉や加工品、惣菜などを販売する「まるとも荒木田商店」は、2022年にオープン。ショーウインドウには併設されたカット場でスライスしたロースやバラ、モモといった部位ごとの精肉のほか、餃子や揚げ物といった加工品も並ぶ。肉質にこだわったおいしい豚肉が購入できるとあって、オープン以来、地元の消費者を中心に現在も注目を集めている。

同店は、三重県津市一志町・(有)一志ピックファーム(江川幸枝代表取締役社長)が展開しているもので、この店のキャプテンとして代表を任されているのが同社精肉販売部の江川智晃さんだ。江川社長の息子である智晃さんは小学校2年生のころから本格的に野球に打ち込み、2004年にNPBドラフト会議で福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)から指名を受け入団。プロ野球選手として15年間活躍を続け、2019年に選手を引退した後は球団の裏方として従事した。2020年に一志ピックファームに就職し、精肉販売部として販売先の開拓や精肉加工にも取り組んだ。

まるとも荒木田商店が扱う豚肉はすべて一志ピックファームで生産されたもの。同農場は現在母豚570頭の一貫経営で、昭和35年に子取り経営でスタートし徐々に規模拡大を続け、昭和48年に先代である荒木田斎蔵氏が就農して以降、枝肉共励会で最優秀賞を獲得するなど、その品質に確かな評価を受けてきた。現在は荒木田氏の妹である江川幸枝氏が代表取締役社長を務めている。

種豚はケンボローの原種豚を導入し、種雄豚、母豚ともに自家更新を続けてきたが、現在は母豚にトピックスを導入し、生産効率のさらなる向上を図るとともに、消費者に安価に届けられるよう努力を続けている。

「豚を生産するだけでなく日本一美味しい豚肉を目指す」「いつか直売店や飲食店を展開したい」――直売店の設立は先代社長である荒木田氏の夢でもあった。智晃さんは荒木田氏から直接その話を聞いたことが強く印象に残っており、その夢を引き継ぐ形で2023年にとんかつの専門店である「とんかつ四十三番」を伊勢市内にオープン。2024年1月には松阪市に2店舗目を開いた。

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2025年4月号

北海道大学が4年連続8回目の総合優勝
第17回全日本大学対抗ミートジャッジング競技会開催


全日本大学対抗ミートジャッジング競技会実行委員会(井尻大地会長:鹿児島大学准教授)は2月26〜28日までの3日間、第17回全日本大学対抗ミートジャッジング競技会(日本ICMJ)を開催した。

今回は13大学から合計46名の学生がエントリーし、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センター(基礎知識部門、特別講演)、東京・港区の東京中央卸売市場食肉市場(牛枝肉部門、豚枝肉部門、部分肉・精肉部門競技)、東京・港区のTKP品川カンファレンスセンター(食肉産業セミナー)の3カ所の会場で競技やセミナーが実施された。今大会から新設された「基礎知識部門」、そして日本食肉格付協会が定める牛枝肉取引規格に基づいて枝肉の比較・順位付けを行い、その正確さを競いあう「牛枝肉部門」「豚枝肉部門」、部分肉や精肉の名称や部位を回答し正確さを競いあう「部分肉・精肉部門」の4部門の競技が実施され、基礎知識部門を除く3部門の総合成績で順位が判定される。

平均点が例年を上回り非常にレベルが高い大会となった第17回大会は、大学対抗部門で北海道大学が4年連続8回目の優勝を飾った。また、個人総合部門では、日本大学3年生の本多遥香さんが優勝した。なお、2位から5位までの個人総合部門入賞者は次のとおり。

▽第2位 北海道大学 井上桜さん▽第3位 北海道大学 大垣沙良羅さん▽第4位 帯広畜産大学 土屋柚子さん▽第5位 日本大学 井原賢征さん、帯広畜産大学 吉田美穂さん

個人総合部門の上位6名は、7月にオーストラリアで開催される大学対抗ミートジャッジング競技会に日本代表チームとして派遣される予定。

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2025年3月号

◎三重県伊賀市/とよさ株式会社
あっさりとした脂身が特徴の「とよさ豚」
品種・エコフィード給与にこだわり
ていねいに生産続ける


伊賀の山間部に農場をかまえるとよさ(株)は、エコフィードを中心とした独自配合飼料を用いて「伊賀とよさ豚」を生産している。

「伊賀とよさ豚」は、甘みをもたせた脂身と霜降りの入った柔らかい赤身が特徴の銘柄豚。とよさ代表取締役社長の前田豊作氏は、目指した肉質について「私は豚肉が好きですが、脂身が苦手でした。そこで、くどさのないサラッとした口溶けの脂身を持った豚肉を作りたいという思いがありました」と話す。

品種はLWDの三元交配で、種豚はすべてハイポーを採用。とよさ代表取締役社長の前田豊作氏が自身の作りたい豚肉をイメージしながらさまざまなメーカーの種豚や品種を試していく中で、求める肉質にいちばん合ったのがハイポーだった。現在は母豚210頭の一貫経営を行っている。

また、「伊賀とよさ豚」の大きな特徴は資源循環を目指したエコフィード飼料の給与にある。生麺やお菓子など、さまざまな残さを取り入れ、栄養バランスを計算しながら供給。手に入る材料は時期によって変動するが、都度微調整を行っている。さらに、合鴨農法で作られた無農薬の米と野菜を添加している。すべてとよさで生産しているもので、これら農産物や豚の育成においても伊賀の名水は欠かせないという。離乳期から35kgまでは配合飼料を使い、この飼料は出荷までのステージで供給している。

豚舎は開放式で、盆地ならではの気候で寒暖差が大きく、決して飼いやすい環境ではないが、前田氏を含めた従業員全員が毎日豚と向き合い、少しの体調の変化も見逃さないようていねいに育てている。また肥育日数を180日とすることで、前田氏の求める柔らかい肉になっている。

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2025年2月号

生産した豚肉を地元消費者に直接届けたい
知多ピッグが直売所「とんとことん」をオープン


愛知県常滑市に本場を置く(株)知多ピッグ(都築周典代表取締役)は、銘柄豚「知多ポーク」の精肉や加工品、惣菜などを取り扱う直売所「とんとことん」を2024年11月にオープンし、地元の消費者を中心に多くの注目を集めている。

とんとことんは本場からほど近い小高い丘の上に建てられ、店舗とともに精肉スライスなどを行う加工場が隣接されている。広々とした駐車スペースも用意され、多くの来客に対応できる。直売所の設立に向けて本格的に着手したのは2022年のこと。もともと所有していた農地を転用して立地を確保するとともに、六次産業化への支援策である和令5年度農山漁村発イノベーション整備事業も活用し、計画を着実に進めていった。一方で、精肉をカットする職人の人材確保が難航していたが、2024年4月に3人の息子の一人である都築大輝さんがとんとことんの運営に携わることとなり、精肉カットなどの修行を経て、現在は統括責任者を務めている。

店舗では1カ月当たり約80頭分を販売。ロース、バラ、肩ロース、モモなど定番部位のスライスや、トンカツ用に厚めにカットされたものが並ぶ。加工品は無添加ハム、ベーコンやあらびきソーセージ、チョリソーといった定番商品や、餃子、春巻き、焼売といった中華料理の商品もラインナップされている。また、店内で調理されるコロッケやメンチカツ、トンカツ、フランクフルトは豚肉の旨味を存分に感じることができ、オープン当初から人気を呼んでいる。そのほかレバーや直腸、ノド軟骨など、煮込み料理や焼肉に適した食材が購入できるのも魅力の一つだ。さらに、キャベツや白菜をはじめブロッコリーやトマト、またイチゴなど果物、米といった農産物の委託販売も展開しており、さまざまな食材を購入できる場となっている。

今回豚肉を提供したのは群馬県・下仁田ミート(株)、愛知県・(有)アクティブピッグ、北海道・(有)道南アグロ、宮崎県・宮崎ブランドポーク普及推進協議会、福島県・木野内ファーム、熊本県・淋種豚場の6農場で、いずれも生産者がステージに上がり、肉の特徴や生産のこだわりについて説明。また長野県・(株)あずみ野エコファーム、熊本県・農山畜産/モンヴェール農山、秋田県・(有)細川農興からそれぞれ加工品の試食提供も行われ、いずれの時間帯も長蛇の列ができるとともに、口にした来場者からは「美味しい」「柔らかい」といった声が聞かれた。

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2025年1月号

日本豚のおいしさを国内外にPR!
「JAPAN PORK FESTIVAL 俺たちの豚肉を食ってくれ!」
が秋葉原で開催


一般社団法人日本養豚協会(JPPA)青年部会(石川貴泰青年部会長)が主催する、国産豚肉の消費拡大イベント「JAPAN PORK FESTIVAL 俺たちの豚肉を食ってくれ!」(通称:俺豚)が2024年11月24日、東京・秋葉原電気街の商業ビル・ベルサール秋葉原1階で開催された。

俺豚は、日本産豚肉のブランド確立と豚肉需給拡大を目的とした一大イベント。運営や企画進行の大部分を青年部会が担い、全国の若手養豚従事者や業界関係者の間をつなぐネットワークづくりの場としても発展してきた。今回も全国から若手養豚生産者らが集結し、銘柄豚のしゃぶしゃぶ試食提供などを行った。

今回豚肉を提供したのは群馬県・下仁田ミート(株)、愛知県・(有)アクティブピッグ、北海道・(有)道南アグロ、宮崎県・宮崎ブランドポーク普及推進協議会、福島県・木野内ファーム、熊本県・淋種豚場の6農場で、いずれも生産者がステージに上がり、肉の特徴や生産のこだわりについて説明。また長野県・(株)あずみ野エコファーム、熊本県・農山畜産/モンヴェール農山、秋田県・(有)細川農興からそれぞれ加工品の試食提供も行われ、いずれの時間帯も長蛇の列ができるとともに、口にした来場者からは「美味しい」「柔らかい」といった声が聞かれた。

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